香り

皆さま、こんにちは。鷲見です。
ちょっと冬っぽくなってきました。

時間のある時に
何年振りかに
幽遊白書を読んでいます。

20年ぶりとか

そんな感じですね。


最近
葬送のフリーレンに夢中です。

名作かもしれません。

漫画も良いですし、
アニメも大変良い仕上がりとなっています。

アニメが漫画を超えることは
あまりないと思いますが、
この作品は
アニメの方が良いかもしれません。

なぜ、
それほどまで
惹きつけられるのか。

作品の根底にあるものは
喪失、孤独、悲哀、断念、

これが流れているからではないかと思っています。


物語は
魔王を倒し、勇者のパーティは解散します。

勇者パーティの一員だった
何千年という寿命の魔法使いフリーレンは

仲間たちと過ごした旅を
もう一度めぐり
亡くなってしまった人間の勇者や僧侶の想いを理解していく、

そんな話です。


終幕から始まる物語なのです。

死を通して生を見る
「死生観」という言葉がすぐに思い浮かびました。

毎回のように
フリーレンによって
勇者一行の日常の回想が行われます。

とても切なく描かれています。

その描かれた日常の思い出は
寿命の長いエルフにとって
大切なものなのでしょう。

でも、
大切なものを与えてくれた仲間たちはもういません。

やさしい温かさと
静かな喪失感を
とても上手に表現しています。



人は
どこかに孤独を抱え
たびたび
悲哀を味わいます。

その息苦しい感覚から逃れたいと
その逆を求めるわけですが

もし
人のベースに
孤独や喪失が自然と存在しているのならば
逃れることは無理なのです。

それらで
「どう自分を耕すかなあ」っていう方向で考えるべきじゃないかと。

孤独や喪失は
誰もが抱えていますが、
それによって心を耕せている人にはなかなか出会えません。

そのような人は
静寂を持っているのですが、
“香りのある人” と表現することがあります。



勇者ヒンメルは
魔王を倒す冒険の途中で

真の勇者のみが引き抜ける剣を
引き抜くことができませんでした。

その瞬間
彼は
自分が真の勇者であるという夢を失い
自分が真の勇者になることを断念します。

それでも彼は
前を向き進み始めます。

この “受容” は揺さぶられました。


孤独や喪失、断念、悲哀、
まずは
それらを受容することができるようにならなければなりません。

そして
静寂性として昇華させ
自分の中に取り込んでいくことが大切なんじゃないかと思っています。

つまりは
人間的な力量を高めることになるはずです。








“香る” 人になれるように
香水たくさんつけて
精進しようと思います。